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author : optical engineer

エピソードの組み合わせでキャラクターを構築する

物語の登場人物を考える際に、まずタイトルを付けて、そこから演繹的にエピソードを加えることで立体的に立ち上がらせることができるかもしれません、というお話です。

「あなたの長所と短所は?」という質問への答え方

リンク先は就職活動のエントリーシート記述のためのノウハウです。

どのような人間であり、どのように行動するのかを短い時間で表現するなら、相応しい形容詞を探すよりも、その人の振る舞いを示す特徴的なエピソードを探すと有効だという内容です。

具体的な方法は

1.自分(=人物)に関するエピソードを数多く書き出す。
2.似たエピソード、関係のあるエピソードを近くに配置して線でつなぎ、関係性を示す。
3.線の密度が濃い部分がその人物のメインストリーム、根幹の部分になる。
4.根幹部分にタイトルを付ける。

です。

この作り方のメリットは、「取り敢えず普段のその人を思い浮かべる」という取りかかりの障壁の低さにあります。

そしてこれまでに積み上げた経験から帰納的に人物を浮かび上がらせるこの方法に対し、キャラクターを作る場合には演繹的に、逆転させて考えます。
つまり

1.キャラクターにタイトルを付ける。
2.タイトルからエピソードを連想していく。
3.徐々にタイトルから遠いエピソードを作っていく。
4.日常的な行動まで振る舞いを規定していく。

といった方法論です。

とはいえ物語を考える時に、完全にキャラクターを作り込んでから展開を構築していくケースというのは稀だと思います。多くの場合、ある場面なり展開なりがあって、その為にキャラクターを用意するのではないでしょうか。

そういった場合にもこの考え方はロバストに応用できます。想定されているイベントを元に「その人物らしい」エピソードを連想して、一方で帰納的にタイトルを探しながら、一方で演繹的にエピソードを積み上げていきます。

単純な算数で、エピソードの数が少ない内は組み合わせにオリジナリティを出すことは難しいかもしれませんが、数を出せば出すほど作り手の感覚が反映されていくかと思います。

いかがでしょうか?